―仮にここに海老があったとする。
食用の海老だ。
この時点ではまだ海老は海老でしかない。
しかし、海老に天ぷら粉をまぶし、揚げてみるとどうだろう?
そこにあるのは「えび天」として、つまり「天ぷら」として認識されるのである。
そしてこれは海老だけに言えた話ではない、例えばかぼちゃを同じように揚げてみてもそれは「かぼちゃの天ぷら」として、つまり「天ぷら」として認識されるのである。
つまりもしダイアモンドを揚げたとしても、扇風機を揚げたとしても、究極的にはあなたを揚げたとしても、それらはすべて「天ぷら」と認識されるのである。
現在この地球上には膨大な量の物体が存在している。
しかしどんな物体であろうと揚げてしまえば全て天ぷらなのである。
ところでよく話題になるが未だ結論が出ていない質問がある。
人生において、本当に大事なものとは何だろうか?
そう、ここまで読んでくれたあなたなら分かるはずだ。
ー天ぷらである。